【植木の移植】

移植の仕方 時期

(南関東地方の場合です。春は東北の場合、関東より1ヶ月遅れ。九州は1ヶ月前といわれています。秋は逆になります)

常緑樹の場合 時期はいつでも大丈夫です。ただ、あまり暑い時期や寒い時期は避けたほうが安全です。6月の梅雨頃や9月〜11月頃の暑さの過ぎた時期に行う場合が多いです。また、みかん類は寒い時期は避けて暖かくなり始めた時期から梅雨時くらいまでに行います。
落葉樹の場合 通常の場合、落葉期(木の葉が落ちている冬の時期)に行います。ほとんどの落葉樹の場合この時期は、容易に移植できます。小さな木なら根に土がつかない状態でも大丈夫です。大きな木でも丁寧に細根を残して掘り、根を水洗いして振るい根の状態で移植できます。
針葉樹の場合 一般には、冬場に行います。松は寒中に行います。移植は難しい種類が多くなります。
竹の場合 筍の頃といわれますが、4〜5月頃に行います。
ソテツなどの場合 暖かい地方の木は暖かい時期に行います。梅雨前から梅雨時くらいがよい時期です。
時期はずれの場合

(時期はずれに移植というのはよくあることです。創意工夫で乗り切ります)

常緑樹の場合 常緑樹は大体いつでも大丈夫なので、時期はずれということはありませんが、暑い時期には葉を加減して水枯れや幹割れに注意が必要です。また、寒い時期には、防寒対策が必要です。根本が凍らないように注意します。
落葉樹の場合 できれば6月の梅雨時くらいに行うようにします。どうしても無理な時期にやらなければならない場合は、葉をほとんど落とし枝だけにするか、葉を少なくして、寒冷紗などを掛け陽を避けます。
針葉樹の場合 あまり時期はずれに行うことはお勧めできません。ただ、よく手入れされた木の場合根の張りも抑えられています。したがって時期はずれでも大丈夫です。また、枝をばっさりと落とせそうな場合は大丈夫です。
  掘り取りの仕方 一般的な掘り方 掘る範囲の決め方  

 

根本の直径の4〜5倍の直径で掘る 

 

落葉樹はやや大きめにします。

1cmくらいの直径の木は10〜15cmくらいで掘る。3cmくらいの場合は20〜30cmくらい。

あまり大きくすると、土の重さで根が崩れます。小さすぎると木がもちません。木の種類でも加減します。

昔からのやり方

 

根本を縄で一巻きします。その縄の端を幹につけ幹に沿って円を描いて範囲を出します。(大きな木の場合)
深さの決め方 大体直径の2〜3倍くらいを掘りそこから斜めに掘り上げる
直径6cmの木の場合根の直径は35cm〜40cmくらいです。
 

実際の掘り方

大きな木の場合 まず、表面の土をそっと掘ります。細い根が一面に出たならばその高さで平らにします。
次に掘る直径の見当をつけ地面に線を書きます。その線に沿ってスコップを後ろ向きにして垂直にさします。次に線に沿ってスコップを芯に対して横向きに掘ります。垂直に掘って行き根に当たったら根を出すようにして根をのこぎりなどで切ってゆきます。
そして垂直に掘ってゆくと根が出てこなくなります。そこで掘った回りを平らにします。そしてそこから斜めに木の中心に向かって掘ってゆきます。
木の中心部分を少し残して掘るのをやめます。(これは大きな木の場合です。)そして、パーム布などで包んで根巻きします。
椿やつげなど根の細かいものは根巻きしないでも大丈夫です。
小さな木の場合 つつじやサツキなどの小さな木の場合、根本に沿ってグサグサとやや垂直にスコップをいれてこの要領で掘り起こします。
根巻きせずにそのまま移植します。
もう少し大きな木の場合 掘る直径の見当をつけ周囲をスコップで背を中心に向けグサグサと掘ります多少の根はスコップで切ってしまいます。根を切るためのハサミやノコギリを使用して掘り上げます。
いったん掘り上げた木を倒して根巻きします。
特殊な場合 藤などは根をなるべく全部掘り出して土はつけず根をぐるぐる巻きにして植えつけます。
竹は根(地下茎)をなるべく長く掘り取り(1〜2mくらい)そのまま植えつけるか巻くようにして植えるかします。
植え方 【 植木の植え方(1) 】  
注意すること 剪定 移植するときには、根を切っていますのでそれにあわせて葉も落とします。目安は落葉樹の場合3分の2、常緑樹なら3分の1くらい落とします。針葉樹の場合もできるだけ落としますが、あまり落としすぎると枯れてしまうので注意します。剪定の仕方は、内枝を落として全体に均等に葉がついた状態にします。将来大きくしたくない場合は、外枝を詰めるように切ります。
 難しい場合 根回し 時間がある場合、移植が難しいと考えられる場合は根回しをします。根回しは、大きな木の場合は太い根を残し、一端回りを掘り込んで新しい土を入れ新しい根が出るようにします。小さい木の場合は回りをスコップで挿す程度にします。時期的には春先にします。
   

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